平成16年に起こった新潟中越地震では、被災者から多数のエコノミークラス症候群患者が出ました。テレビのニュースをはじめ、各メディアで報道されたので、ご記憶の方も多いかと思います。
住んでいる家が倒壊し、避難所での生活を強いられていた被災者の方々は、どうしても同じ場所にとどまりがちになります。限られたスペースに多くの人がいるわけですから、窮屈な姿勢を強いられることも多かったのではないでしょうか。
エコノミークラス症候群の第一原因であるひざの裏の血のかたまりは、そんな状況でできやすくなります。軽度だから表に出ていないだけで、当時の被災地には報道された数以上に大勢のエコノミークラス症候群患者がいたのではないかと思います。
また、車を避難所としていた被災者からは、数人の死亡者がでました。これもやはりせまい車中で長時間じっとしていたことが原因です。車のなか長い間過ごすにはわずかなスペースしかありません。密室であるぶん、もしかしたら飛行機より窮屈なのではないかと思います。これは、エコノミークラスの乗客以外でもこの病気を発症するリスクがあるとうい典型的な例といえそうです。
被災者の方々にとっては、思わぬ「2次災害」となったエコノミークラス症候群ですが、その苦い経験は後の災害に生かされました。今年起こった平成19年新潟中越地震では、エコノミークラス症候群の検診を実施したといいます。それは被災者の方々にもきっと大きな安心感をもたらしたに違いありません。